2011年3月23日水曜日

朝のメール

今日、同じ時期に派遣された協力隊員から、同期の全体メールで連絡がきた。
朝、配属先に来て、メールをチェックをしていたところの話。
件名が「ニジェール 国外退避のお知らせ」と。

以下 本文です。


22-1KTCの皆さま

活動お疲れ様です。

元ニジェール隊より、お知らせが。


この度、安全対策上の理由により、ニジェールにおいて活動中だった青年海外協力隊全員の国外退避およびニジェールへの隊員派遣を当面見合わせることが決定されました。
ニジェールではこれまで、特にフランス人を対象として、マグレブアルカイダによる誘拐リスクがあり、日本人に対しても注意喚起がなされていました。
今年に入り、米国平和部隊ならびにフランス政府ボランティアがニジェールでの活動を中止し撤退したことを受け、協力隊員の相対的被害リスクが高まったとの判断がなされました。
隊員は3月2日に国外退避の知らせを受け、すでに全員が日本に戻っています。
(安全管理上の理由から、日本に全員が帰国するまでこの件は内密とのことだったので、連絡が今になりました)。

22-1隊員は避難一時帰国扱いとなり、任国振替もしくは任期短縮となります。
(20-4は通常の任期満了、21-1は特別任期短縮、21-2以降は任国振替もしくは任期短縮)。
(このあたりの処遇に関して詳しく知りたい人は、ニジェール隊員に個人的に聞いてください)。
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活動をやりきることができず、全員が悔しい思いを残したままニジェールでの活動を終えました。
皆さま、どうか一日一日を大切に任国で過ごしてください。
2年間任国にいることすらできなかった私たちからすれば、ただそこにいられるだけでも羨ましいことです。
世界中で22-1KTCメンバーの活動が上手くいくことを心から願っています。
しかし、落ち込んでばかりもいられないので各隊員、次のステップを模索中です。
世界のどこかで会いましょう。


p.s.


皆さんご存知の通り、3月11日に東北地方太平洋沖地震が発生しました。
帰国前であったため、本人が災害に巻き込まれたニジェール隊員はいません。
(震災は退避勧告の後、帰国の前というタイミングで起こりました)。
今回の国外退避により、手が空いたボランティア約70名が日本にいるわけで、元ニジェール隊員有志も何かできないかと考えました。
しかし、素人が思いつきの行動を自己満足のためにしても効果は非常に少なく、むしろ安易な同情は被災者の方々に失礼という意見がでました。
メッセージはメディアによって情報へアクセスのある安全地域の困っていない人には届けど、安否確認も困難な被災地の人々へは届かないだろうし、千羽鶴はゴミにしかならないのが現実です。
現地に入るにしても、食料、水、寝場所、トイレ等をボランティアが使ってしまっては本末転倒です。
救援はプロに任せるべきであり、災害救援の専門知識も技術もお金もない私たちが現状でできることといえば、プロの救援機関など(赤十字など)へ募金するのが精一杯でしょう。
個人的にも東北出身者に大切な友達がいるので、何かできないか日々考えていますが、考えれば考えるほどに自分の無力さを受け入れるしかありません。

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このような事情で一旦は静観するしかないと思いました、、、が、JICAより待機中ボランティアに東北地方救援ボランティアの募集がかかりました。
(二本松において福島原発地区から避難された方々を受け入れるなど、JICAも救援活動を行っている模様)。
ボランティアを受け入れる体制のある組織について行動できるならば、我々にもできることがあるかもしれません。
このボランティア活動は強制ではないので、元ニジェール隊員全員が参加するわけではありませんが、待機中は日本のために頑張ります。
詳細は未定ですが、どのような活動になったのか、機会があればお知らせをしたいと思います。



以下、引用おわり。

そうだったんだ、ニジェール隊員、私たちの同期は11人です。
訓練所の時から仲良くしてた隊員もいます。
一度も話していなくても、顔はもちろん知ってるし、
写真を見れば、「元気かな?」「活動、上手くいってるのかな?」なんて勝手に気にしていました。
そんな仲間が日本に戻っていたなんて、全く知らなかった。

そして、私は優しく平和なマーシャルにいることをとても幸せに思う。
いつもあと1年と何カ月だ・・・なんて考えていた。
そんなふうに思うのはやめないといけない。
ニジェール隊員はもうそんなことを考えることさえできないのだから。
そして、今一番日本が大変な時期に帰国し、私たちより「被災者になにかしたい」という気持ちが高いと思う。
そんな彼らの真剣な気持ちが代表で連絡をくれた隊員からひしひしと伝わってきた。

また、会えるかな。
もう会えないなんて、イヤ。
でも私たちはニジェール隊のぶんまで、任期をしっかり全うしよう。

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